2013年8月24日土曜日

日本語が亡びるとき/水村 美苗

 日本語が亡びるとき/水村 美苗

最近、語学学習のことを考えていて以前に読んだこの本を再度読んでいる。以下転載。 

帰国子女で、自身も小説家であるこの人は、日本文学がとても好きなのだなあ。その愛情故に、日本語というものを介して成熟してきた日本近代文学が、将来英語という普遍語の台頭の前に、その魅力を維持する十分な使用頻度を人々の間に持つ事をできずに衰退していくであろうことを嘆いている。言葉は修辞学的機能をもつものなので、翻訳された文学は、もはや別ものだとする。たとえば漱石のよさは日本語で読まないとわからない。


2013年8月14日水曜日

日系飲食店のSNSを活用した海外展開事例- Toronto, Kinton

トロントではラーメンが大流行りである。お寿司屋さんであったはずのお店が「ラーメン始めました」みたいなサインを出していることも珍しくない。ラーメンだけでなく日本食自体がほんとに流行ってるな、という感じだ。トロントのラーメン屋さんはいくつかあるのだが、その中の一つKintonを事例に海外に日本食が出て行く際のSNSの活用について考えてみたい。

Kintonは2013年8月12日現在でFacebookの「いいね!」が4,815、twitterのフォロワーが5,388となっている。トロントには同等クラスのクオリティのラーメン屋さんとして認識されているお店が他にも数件あるのだが、競合と比較してみても圧倒的なSNS上での注目度の高さとエンゲージメントの高さを誇る。Kinton Quest というFacebookアプリもあるみたいだが、最近はやる人もあまりいないんじゃないかと思われるので、 Kintonのfacebook上で展開されているイベントとしてKinton Bowlerに注目してみたい。



2013年8月10日土曜日

飲食店の目標来客数のKPI設定と来客増加施策

「とりあえず、生!」が儲かる理由 飲食店の「不思議な算数」/江間 正和

飲食業の事業構造を理解する上でランチは儲からない 飲み放題は儲かる 飲食店の「不思議な算数」がとても良かったので、これも読んでみたけれど学び感は少し落ちた。ただ、むしろ飲食業に携わる人というより一般の人がどうやってよいお店を見つけるのか、という観点で読むとすごく勉強になるのではないか、と思った。

来店客数の見積もりをどう考え、その増加のためにどんな施策を打つのか、という点については前回の本よりもきちんと書いてあってよい洞察をもらえたので、そこの部分についてメモをしたいと思う。


2013年8月9日金曜日

飲食業などの従来型の産業とハイテク及びネット産業の本質的な違いは何か

起業に関する記事と言えば、ネット界隈の記事しか見ない昨今である。参考になるので定期的に読んではいるが、飲食などの従来の産業とネットの違いは何だろう、ということを考えていた。産業が違っても共通に通用することと、そうでないことを見極める必要があるからだ。これを「独占的レント」という概念を使って説明してみたい。

クルーグマンがProfit without productionという記事を書いていて、下記のように言っている。
The most significant answer, I’d suggest, is the growing importance of monopoly rents: profits that don’t represent returns on investment, but instead reflect the value of market dominance. Sometimes that dominance seems deserved, sometimes not; but, either way, the growing importance of rents is producing a new disconnect between profits and production and may be a factor prolonging the slump.(最も意味のある答えは、ますます重要になってくる「独占的レント」である、ということだ。利益は投資に対するリターンを表しているのではなく、市場における占有度を反映している。その独占は相応の価値のある場合もあれば、そうでないときもあるが、どちらにしても重要度を増す独占的レント(*1)が「利益」と「製造」の間に新しい断絶を生み出しており、それが長引くスランプの原因になっていることも考えられる。)